スタッフコラム『想い出のワンちゃん』

第1回 Dr.水谷編 『ルルちゃん』

 第1回目となる今回は、ゴールデンレトリーバーのルルちゃんをご紹介します。ルルちゃんは上顎の歯肉部に、線維肉腫という悪性腫瘍ができてしまい当院へ来院されました。CT検査の結果、ルルちゃんの腫瘍は思った以上に広範囲に広がっており、手術で切除することは困難でした。

CT画像
CT画像:○の部分が腫瘍です。

CT検査はレントゲン検査と異なり、死角がなくあらゆる角度から病変の評価ができます。腫瘍の広がりや遠隔転移の確認のために有効な検査です。当院では、64列マルチスライスCTを使用しています。

 飼い主様との相談の結果、ルルちゃんは放射線治療を受けることになりました。放射線治療とは、腫瘍に対して放射線を照射することにより、腫瘍を小さくしたり、大きくなるスピードを少しでも抑える治療法です。人間なら麻酔なしで治療できますが、ワンちゃんの場合には全身麻酔が必要なのです。

放射線治療装置
放射線治療装置
当院では、メガボルテージ(高電圧)放射線治療を行なっています。
左の画像がその装置で、6MeVリニアックを使用しています。
近年、治療機会が増えている放射線治療ですが、メガボルテージ放射線治療を受けて頂ける施設は、関西圏では残念ながら当院のみです。

 ルルちゃんは頑張りました。約1ヵ月に渡り、合計16回の放射線治療を無事に乗り切ってくれたのです。放射線治療は急性の副作用もあり、口の中や口唇の皮膚が軽いやけどの様にただれます。これは必ず治る障害ですが、口が痛いために食欲が一時的に減退するワンちゃんが多いのです。ルルちゃんも少しは痛かったはずですが、ご家族の協力もあり、元気で食欲旺盛で無事に治療を終えることができました。
 ルルちゃんの腫瘍は悪性度が高く、1年の生存が困難な状況でしたが、放射線治療の効果もあり約3年もの間、元気に過ごしてくれました。治してあげられる癌ではなかったことが残念でありませんが、病気と闘いながらご家族と一緒に過ごせた時間は、きっと時間だけではない価値のあるものだと思います。痛みに負けず、愛くるしいルルちゃんを見ていると、元気をもらっているのは僕らの方なのかなと、何度も痛感しました。きっとルルちゃんは、ご家族が笑顔で見送ることができるように、お別れの時間をゆっくりくれたのでしょう。
 ルルちゃん、本当にお疲れ様でした、天国でも元気でね!

ルルちゃんのご家族から頂戴した刺繍で作ってある絵画
(今でも病院の診察室にあります。見つけてみてください)

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