リハビリテーション

動物リハビリセンター開設のご案内

2014年6月末に、動物リハビリセンターを開設いたしました。以前はベイサイド・アニマル・クリニック内にて、動物リハビリテーションを行っていましたが、より充実した動物リハビリテーションサービスを提供させていただくために当センターを開設いたしました。

動物リハビリテーションには、専門の知識と技術が必要で、何よりも動物自身の協力がなければ成功しません。動物にとって、安心してゆったりリハビリテーションに取り組める環境が重要になります。また、当センターでは、動物専用大型水中トレッドミル(FERNO社製2台)を新規導入し、より多くの動物リハビリテーション症例を受け入れることが可能になりました。その他運動療法に使用する用具や、各種理学療法で使用する機器を揃えています。また、米国テネシー大学が提供している卒後認定資格の一つである「犬のリハビリテーション認定医」資格を取得した獣医師を中心に、トレーニングされた専任スタッフが動物リハビリテーションを行っています。他院で手術をされた症例のリハビリテーションも受け入れており、紹介していただいた病院様と飼主様と協力して、より良い回復過程を経過できるようにお手伝いさせていただいています。

皆様の当センターのご利用を、心よりお待ちいたしております。なお、動物リハビリテーションに関するお問い合わせは、当センターもしくは、ベイサイド・アニマル・クリニックまでお願いいたします。

【動物リハビリセンターの設備】
大型水中トレッドミル 2台

水中での起立訓練や歩行訓練、水泳などができます。

フィジオロール 各サイズ

バランス訓練や体幹筋力強化、感覚回復に用います。

カバレッティ・レール

障害物をまたぐ訓練、足を上げる訓練に用います。

バランスボード

バランス訓練や体幹筋力強化、感覚回復に用います。

高圧酸素療法カプセル
電気刺激装置+治療用超音波装置複合機

物理療法の代表。電気刺激では、廃用性萎縮を呈した骨格筋の強化や疼痛緩和が可能です。
治療用超音波は、筋肉や靭帯などが線維化し硬化した関節や関節周囲の組織をほぐすことができます。

レーザー治療機

疼痛緩和や創傷治癒に用います。

ホット・コールドパック
カート(車椅子)

リハビリテーションと併用して使用します。散歩好きなワンちゃんには最適です。

各種ハーネス・コルセット

歩行訓練を行う時に体幹軸を安定させるもの、腰だけ支える場合に用いるもの、様々利用できます。

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動物リハビリテーションとは

病気の犬や猫に対して、リハビリテーションを始められたのは、約100年前のことです。当時は、ヒトの理学療法士が治療を行っていました。本格的に動物リハビリテーションという治療分野が確立されたのは、ここ20年の話です。米国では、ヒトの理学療法士と獣医師が協力して現在も発展させている治療分野で、獣医業界のみならず、ペット業界、飼主様にも大変興味を持たれ始めています。

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動物リハビリテーションの大切さ

動物にとって、歩けなくなってしまうことは、生活していく中で、大きな障害となってしまいます。散歩に行けない、ウンチ・おしっこが自分でできない、他の動物と一緒に遊べない、動かそうとすると痛がる、床ずれができるなど、いろんな病気によっていろんな障害がおきます。ヒトの場合は、自分の意思で元の生活に戻る努力を行いますが、動物は自分からは努力しません。それらの障害を克服し、元気な時と同じような生活が送れるように手伝ってあげるのが、動物リハビリテーションなのです。
米国では、動物リハビリテーションという治療分野が確立される前では、介助が大変な大型犬などは安楽死を選択することがほとんどだったといいます。しかし、リハビリテーションを行うことで、障害を克服できるようになり、安楽死の数が減ったといいます。
日本でも、犬猫を中心にペットを家族の一員として一緒に暮らす方が増えてきました。動物にも人と同じような高度医療を提供したいと考えている、私たち南動物病院では、米国で動物リハビリテーションの認定医資格を持った獣医師(日本人で初めて取得。2009年6月時点で、日本では唯一の有資格者。)と豪州動物リハビリテーション研修会を修了した動物看護師が中心に、動物リハビリテーションによる治療を提供しています。

動物リハビリテーションについてのご質問などは、以下にお問い合わせください。

南動物病院 ベイサイド・アニマル・クリニック(横浜)
動物リハビリテーション科 担当獣医師  小笠原 茂里人
TEL:045−440-0987

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動物リハビリテーションで、どのような治療を行うか

動物リハビリテーションは、主に神経疾患(椎間板ヘルニアなど)、整形外科的疾患(膝蓋骨脱臼、前十字靱帯断裂、レッグ・ペルテス病、骨関節炎、骨折)などによる機能および形態障害に対して、主に外科手術後や回復期に、物理療法と運動療法を行い、改善を図る治療です。
また、手術不適応な例(骨関節炎や線維軟骨塞栓症など)でも、適切な動物リハビリテーションによって改善が期待されます。
また、健康維持という目的で、加齢に伴う筋力低下を防いだり、生活の質の向上・維持を目的とする場合にも動物リハビリテーションが適応となります。

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リハビリ内容の紹介

【物理療法】
アイシング
アイシング
  • 保冷剤を術創周辺部位にあて、手術後の腫脹、熱感、炎症に対し、抑制効果を与えます。
  • 実施しない場合と比較して、はやく患肢が使えるようになります。

適応
前十字靱帯断裂整復術や膝蓋骨脱臼整復術など整形疾患の手術後、リハビリ実施後のクールダウンとして

ホットパック
  • リハビリ用ホットパッドを使用します。
  • 慢性的な痛みの緩和、リハビリ効率の向上。

適応:
変性性関節症(股関節形成不全を含む)、椎間板ヘルニアの手術後(直後は除く)、リハビリ開始前のウォームアップとして

高圧酸素療法
高圧酸素療法

某有名サッカー選手が骨折の治療に利用したことで有名となった装置です。全身の細胞に溶解型酸素を供給し、組織再生能力、自然治癒力、免疫力向上能力があります。
また、30分で2時間の有酸素運動と同じ効果があります。

適応:
骨折や関節手術の術後、ダイエット、外傷など創傷治癒の促進のため、老齢動物

【徒手療法】
1. 関節運動(他動的ROM)
関節運動(他動的ROM)

ROMとはRange Of Motion (関節可動域)の略で、疼痛疾患や神経障害によって、本来の関節の 動き(屈曲・伸展)ができない場合、人の手で関節の可動域を広げるリハビリです。具体的には、専門のスタッフが目的の関節の屈曲・伸展運動を繰り返し行います。飼い主様にも教えさせて頂き、日常生活でも実施できるようになることが理想的です。

2.各種マッサージ、ストレッチ
【運動療法】
1. 水中療法(水中トレッドミル)
水中療法(水中トレッドミル)
  • 浮力によって負担を軽減できます。
  • 徐々に筋肉強化ができます。
  • 地上での動きが制限されていても運動できます。
  • 筋肉萎縮の防止。
  • 関節域の硬化軽減。
  • 血液の循環を促進します。
  • リラックス効果。

よくスポーツジムでみる、床がロールする上を人が走る機械(トレッドミル)をご存じですか?水中トレッドミルとは、分かりやすくご説明するなら、浴槽にそのトレッドミルが入っているマシンです。水の中の床が移動することで、地面では自分で起立できない犬でも浮力によって起立することができ、弱い力でも歩くことが可能となります。また、実際に起立位で歩くことによって、脳が歩くことを明確にイメージできるため、平地での歩行改善に繋がります。さらに、地面では痛くて足を使えない場合でも、浮力によって痛みを感じない状態で筋肉を鍛えることができます。また、水圧によって筋肉の強化やむくみの改善も期待できます。
とくに椎間板ヘルニアによる麻痺が生じている場合には、理想的なリハビリが実現できます。

適応:
椎間板ヘルニア、整形疾患における筋力強化

2. その他の運動療法

バランス訓練、障害物をよける訓練、さまざまなタイプの歩行訓練があります。

その他の運動療法
診療案内

一般診療は、特に予約は必要ございません。

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※院長診察、麻酔が必要な処置には予約が必要です。

Q&A よくあるご質問

診察時の疑問についてはこちらもご参照ください。

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